会長挨拶

第74回日本皮膚科学会中部支部学術大会
会長 森脇 真一(大阪医科薬科大学医学部皮膚科学)

このたび、第74回日本皮膚科学会中部支部学術大会を2023年10月28日(土曜)、29日(日曜)の両日、国立京都国際会館にて開催させていただくことになり大変光栄に存じております。
本学での本学術大会の主催は1979年の第30回大会(安原 稔教授)、2003年の第54回大会(清金公裕教授)に次いで3回目、20年ぶりになります。

今回の学術大会のテーマは、「やくそく~Wings for the Future~」です。
私の父は地方で皮膚科を開業していました。私は医学部卒業後、熟考の末に父と同じ皮膚科医の道を選びました。その時に父に「謙虚で立派な皮膚科医になる」という約束をしました。いまその約束が十分に果たされたかはわかりませんが、これまで皮膚科医として36年間、日々出会う患者さんの皮膚を丁寧に観察し、考え、自ら学ぶ姿勢を続けてきたつもりです。私と同じ皮膚科医の道を選ばれた先生方も同じ思いで自分自身に約束をされて日々診療をされ今に至っているのではないかと思います。そこで今回、未来の皮膚科医療を担う先生方が集うこの学術大会の場において、未来の皮膚科診療を想定しながら、将来ご自身がどのような皮膚科医であるべきかを新たに模索し約束を交わし、先生方の未来のキャリアへ繋げていただきたくこのようなテーマにいたしました。その約束を果たすため、これからの日常診療においては患者さんを丁寧に診察し、新たに疾患や治療法を知り学ぶ…この積み重ねが自分自身のキャリアアップになっていくものと信じます。

学術大会の特別講演として日本医師会会長、松本吉郎先生に医師会活動の今後の展開と皮膚科医へのメッセージを、名古屋大学環境医学研教授の荻朋男先生に私も専門にしております紫外線性DNA損傷修復についての最先端研究をご紹介いただきます。また招聘講演として米国Brigham and Women's Hospital皮膚科のChrysalyne Schmults先生に皮膚がんの疫学、皮膚がん進展の分子機構のお話をいただく予定です。難病治療をテーマにした「遺伝性皮膚難病に挑む」、女性皮膚科医を演者とした「女性医師支援と皮膚科学研究」、「皮膚アレルギー最前線」などのシンポジウムも企画いたします。

紅葉が色づき秋深まる京都の地で、キャリアアップのために多くの知識をUPDATEをしていただき、診療、研究いずれであっても、これからもずっと皮膚科医人生が続く先生方の将来において、あらためて「患者さんのための皮膚科医でい続けるんだ」という約束をしていただければ幸甚です。 2023年秋にはCOVID-19感染症が落ち着くことを願い、可能な限り以前のような学術大会の開催を目指しております。大阪医科薬科大学皮膚科医局員一同、多くの先生方のご参加、ご視聴をお待ちしております。